ブログBlog

意外に重要!住みやすさを左右する階段計画

photo
階段、というと1階と2階を行き来するためにつくるもの、という機能が思い浮かびますが、階段の機能は実はそれだけではありません。リビングや寝室などの居室やバスルームといったスペースの計画が優先されがちですが、階段を後回しに配置してしまうと毎日非効率な動線を行き来しなければならなくなってしまうかもしれません。そうならないためにも、今回は階段計画の基礎知識についてご紹介します。
階段の種類

まずは、階段の種類についてです。どんな階段があり、それぞれにどんな特徴があるのかを知り、自分の家にぴったりの階段について考えてみましょう。

直線階段
その名の通り、一直線に延びる階段です。踊り場なく無駄がない形態のため、階段に使用するスペースを小さく済ませることができます。一方で、踊り場や折れ曲がる部分がないため、転倒した場合に最下部まで止まることなく落ちてしまう可能性が高くなります。手すりをしっかりと設置したり段差の視認性を高めるなど、安全面には十分配慮する必要があります。
折れ階段
平面図上ではL字の形状となる階段です。折れ曲がる部分は踊り場又は斜め形状の階段となります。空間の隅の角部分に配置される場合が多く、あまり場所をとらずコンパクトに配置することができます。安全面でも折れ曲がる部分のある分、直線階段に比べ転倒の危険は軽減されます。直線階段では空間に入り切らない場合などによく使用される形状です。
折り返し階段
平面図上ではコの字形状となる階段です。通常折り返し部分に踊り場を配置します。このため先述した直線階段や折れ階段に比べ、使用するスペースが大きくなります。一方で途中にしっかりと踊り場スペースをとるので、転倒による危険が最も少ない形状でもあります。また、途中の踊り場スペースをうまく活用し、ライブラリースペース等として使用する例も見られます。階段下は収納スペースとすることもできます。
螺旋階段
平面図上では円形上となる階段です。階段の中では最も省スペースでつくることができます。そのため狭小住宅等ではよく使用されます。一方で階段一段一段が三角形形状となりやや上り下りのしにくい形となります。また、直線階段同様途中に踊り場がないため、転倒した場合最下部まで落ちてしまう可能性があります。省スペースで収まる分、安全性は低めの形状です。また階段幅をかなり小さくしてしまうと大きな家具が通らない場合があります。階段を使って運ぶ場合は事前にしっかり採寸し通ることを確認しておく必要があります。
リビング階段
昔ながらの階段というと箱型に壁で覆った階段室タイプのものを想像しますが、近年では壁で覆わず階段をオープンな空間とするオープン階段も増えています。リビング階段もその一つで、リビング空間の一部に設置する階段のことを意味します。通常階段室となるスペースをリビングの一部として取り込むことができるので、リビングを広く確保することができます。一方で、階段は空気が筒抜けになってしまうため空調がしにくかったり、階段を伝いキッチン等の匂いが2階へ登ってしまうというデメリットもあります。しかし、リビングを必ず通らなければ2階へ上がれない動線となるため、子供部屋が2階にある住宅では子供の顔を必ず見ることができるという点で家族の安心を確保できる階段でもあります。
スキップフロア
耳慣れない言葉に感じる方もいるかもしれませんが、スキップフロアとは、1階や2階だけでなく1.5階や2.5階といった一部高さの違う床部分を設け空間に動きを出した形式のことです。通常階段と組み合わせてつくり、踊り場が広がり中2階や中3階ができたようなイメージのものです。この形式をとることで、高さに制限のある土地の場合でも広い床面積を確保することができたり、段差を利用し収納スペースを多くとることができます。一方で、この形式では各フロアを壁で仕切らないため、空調計画はしっかり行っておく必要があります。また段差の多い家となるため、通常の住宅に比べ小さな子供やお年寄りのいる家では転倒のリスクが高まることを事前に認識しておかなければなりません。
階段の照明

階段は縦に広がりのある空間のため、照明を上手に使えば様々な演出が可能です。一方で、特に夜間には踏み外して転倒してしまわないように、足元がしっかり確認できる照明計画が必要です。階段に設置する代表的な照明には、下記のものがあります。

ペンダントライト
高さのある空間では特にドラマティックな演出のできる照明です。空間デザインに合わせて選びましょう。また設置高さにより印象も大きく変わるので、しっかりと確認して設置しましょう。
ブラケットライト
ブラケットライトは、壁面に設置する照明です。天井に関係なく高さを自由に決められるメリットがあり、階段だけでなく玄関ドア付近やリビングの補助照明としてなど、様々な場所に使われます。デザインも幅広いラインナップがあるので、イメージに合わせて選びましょう。
フットライト
その名の通り壁面足元に設置する、正に足元を照らすためのライトです。夜間は常夜灯として一晩中つけておく場合もあれば、センサーで人のいるときだけ点灯するものもあります。夜間真っ暗な状態で照明スイッチを探す必要がなくなり便利です。
間接照明
手すりの下や壁・床際にライン状のLEDライト等を設置し、間接照明を計画することができます。スタイリッシュな空間演出を行う際には最適です。

いかがでしたか?以上、階段計画の基礎知識についてご紹介しました。
小坂建設では、経験豊富なプランナーや一級建築士が様々なご相談に丁寧にお応えします。
酒々井町・成田市・佐倉市で建て替えや注文住宅、リフォームをお考えの方は、是非お気軽にご相談ください。

2018.08.31