デザインも機能もぴったりを選ぶ。壁素材の基礎知識
人によってはあまり深く考えることなく内装壁の仕上げを決めてしまう方もいますが、注文住宅やリフォームを計画する際も、壁素材はインテリアにとって重要な要素です。
壁の色や素材感が変われば、部屋の雰囲気も大きく変わります。
また最近では、デザインだけでなく高機能な壁材も販売されるようになってきました。
部屋の目的や用途に合わせ、上手に壁素材選びをしたいですよね。
そこで今回は、壁素材の基礎知識についてご紹介します。
壁材の種類
壁材には、大きく分けると壁紙(クロス)、塗り壁、タイルの3つの種類があります。
それぞれの特徴についてご紹介します。
- 塗り壁
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塗り壁は別の呼び名では左官仕上げ壁と言われます。
また壁紙が水を使わないため乾式工法と呼ばれるのに対し、塗り壁は水を使うため湿式工法と呼ばれます。
最近では減少してしまいましたが、左官職人が手で塗っていくためクロスには出すことのできない表情を表現することができます。
そして塗り壁にもいくつか種類があります。
まずは、漆喰。
漆喰は、消石灰に砂や糊を混ぜ合わせたもので、内装壁だけでなく外壁にも使用されます。
自然素材のため有害なガスを発生する心配がない上、化学物質や二酸化炭素を吸着する効果がある他、防火性が高いことや湿度調整の効果がある等、様々なメリットがあります。
次に、珪藻土です。
珪藻土は、藻類の一種が堆積し化石となったものを原料としており、漆喰同様自然素材です。
最近ではこの材料を使ったバスマットやコースター等も人気ですが、最大の特徴は調湿性がとても優れていることです。
また断熱性や防火性、臭いの吸着性にも優れています。
最後に、土壁です。
土壁は土を原材料とした壁材で、土らしい素材感が魅力です。
昔ながらの住宅等によく使用されています。
- 壁紙(クロス)
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塗り壁に代わり、現在では最も多く使用されている壁材です。
塗り壁に比べ施工の手間がかからず工期も短いことが特徴です。
デザインの種類も多く、最近では防カビ機能など様々な機能の付いた商品が販売されています。
ではどんな種類があるのかご紹介します。
まずは紙壁紙です。
紙壁紙は再生パルプや和紙等を原料とし、デザインによっては印刷や型押しにより柄を付けたものもあります。
また和紙の他に洋紙もあり、空間のコーディネートに合わせ選ぶことができます。
紙壁紙は上質で柔らかな印象の空間となるのが特徴です。
次にビニール壁紙です。
現在最も多く使われており、価格の安価なものやデザインの種類も豊富に販売されています。
また紙壁紙に比べ手入れが容易であることも特徴です。
その他、布壁紙や木質系の壁紙、石や金属、ガラス繊維等によりつくられた無機質壁紙等があります。
- タイル
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耐水性があるためキッチンや水回りなどに多く使われています。
またインテリアのポイントとして部分的に使うことも多い壁材です。
サイズの種類も豊富で、貼り方により様々な模様をつくることができます。
また最近では様々な機能の付加されたものが販売されており、消臭機能のあるものなどはトイレや玄関等での使用にも人気です。
タイルの種類としては、焼成温度の違いにより、磁器質、せっ器質、陶器質とがあります。
磁器質タイルは1300℃以上の焼成温度で焼かれ、素地が緻密で硬く、吸水性が低いのが特徴です。
硬質で耐摩耗性や耐摩耗性に優れています。
外壁や床に使用されます。
せっ器質タイルは1200℃程度の焼成温度で焼かれたものです。
素地は硬く、吸水性は磁器質タイルに比べると高いですが、陶器質タイルほどはありません。
膨張性があり温度変化の大きい場所では使用できません。
陶器質タイルは1000℃程度の焼成温度で焼かれたもので、素地は多孔質で吸水性が高いのが特徴です。
割れやすいので内装壁に使用されます。
部屋別壁素材の選び方
壁材の種類がわかったところで、部屋の用途や目的別の選び方を考えてみましょう。
床や天井とのバランスをとりながら、空間全体としてまとまりのあるコーディネートを心がけましょう。
- 玄関
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最初にお客さまの目に入る空間なので、おもてなしの心を込め上質な壁紙を使うことも手です。
機能としては、塗り壁・壁紙・タイルいずれも適しています。
泥等のつく恐れのある場合は、掃除のしやすい壁紙を選ぶことも可能です。
最近では消臭効果のあるタイル等を使う事例もよく見受けられます。
- キッチン
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キッチンは家の中で最も汚れる場所の一つです。
コンロ周りは耐水性があり掃除しやすいタイルをポイントに使ったり、ステンレス素材を使う場合が多く見られます。
珪藻土やレンガを使うのも手です。
コンロ周り以外の部分でも、汚れのつきにくい壁紙等を使用すると良いでしょう。
- 洗面、トイレ
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洗面やトイレも水に濡れる場面の多い場所です。
耐水性のある壁紙やタイル等を使うのがおすすめです。
また重厚感を出すために、石材を用いる場合もあります。
- 子供部屋
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子供部屋は汚れや落書きが気になる場合に備え、汚れの付きにくく落ちやすい壁紙等を選ぶのがおすすめです。
ペットのいる場合は、下部に木を貼ると傷がついても気になりません。
- 和室
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和室には、やはり昔から日本で使われる塗り壁がよく合います。
部屋のデザインに合わせ、土壁を使用したり珪藻土を検討しても良いでしょう。
また、和紙による壁紙を使ってみるのも手の一つです。
各素材を上手に組み合わせ、自分だけの素敵なコーディネートをつくってみましょう。
以上、内装の壁素材基礎知識についてご紹介しました。
小坂建設では、経験豊富なプランナーや一級建築士が様々なご相談に丁寧にお応えします。
酒々井町・成田市・佐倉市で建て替えや注文住宅、リフォームをお考えの方は、是非お気軽にご相談ください。
2018.02.15