ブログBlog

ずっと住める注文住宅を考える。ユニバーサルデザイン

建てるときは若くても、ずっと住むことを考えると事前に計画しておきたい、老後の暮らし。
ずっと健康で長生きできれば一番良いですが、病気を患ってしまったり体のどこかがうまく動かなくなってしまっても生活していけるよう考えておきたいものです。
そんなときに取り入れたいのが、「ユニバーサルデザイン」という考え方。今回は、住宅の「ユニバーサルデザイン」について考えてみましょう。
ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインは、アメリカの建築家ロナルド・メイスにより提唱された考え方です。世界には、性別や年齢だけでなく、人種や体の大きさの違い、力や利き手の違いなど、様々な違いを持った人が共存しています。誰かにとって使いやすいものが他の人にとっても使いやすいとは限りません。そんな中、自身も身体に障害を持つロナルド・メイスは、「どんな人でも、いつでもどこでも安心して利用することのできる製品、建物、空間をデザインすること」という考え方を唱えました。これが、ユニバーサルデザインと定義されています。また、ロナルド・メイスはこれに加え、低コストでデザイン性も優れていることも大切であるとしています。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い
ユニバーサルデザインと近い言葉に、バリアフリーがあります。バリアフリーは、バリア、つまり障壁をなくすということです。障害を持つ高齢者や障害者の方が、日常生活を送る中で段差や狭いスペース等の物理的に障害となるものを取り除く、という意味で使われます。一方でユニバーサルデザインは全ての人を対象とし、個人の差や年齢性別・国籍の違い等を越えて、みんなが使いやすいこと意味します。

ユニバーサルデザインの取り入れ方
ユニバーサルデザインでは、公平性、自由度、単純性、わかりやすさ、安全性、省エネ、スペースの確保、という7つの原則を基本としています。更にここに、低コスト、デザイン性という2項目を加えて考えることがポイントです。 それでは、具体的に考えるべき点をご紹介します。

浴室
浴室は、特に家庭内での事故の多い場所です。ちょっとした工夫で事前に防ぐことのできる事故も多いので、しっかり対策しておきましょう。具体的には、床材に滑りにくい素材を使うこと、暖房器具を設置し居室との温度差をなくすこと、浴室と脱衣場等の境の段差をなくすこと、壁面に手すりを設置したり手すり付きのバスタブを選ぶこと、出入りのしやすい浴槽の深さを計画すること、といった項目が挙げられます。
トイレ
住宅が小さい場合なかなかスペースをとることのできないトイレ空間ですが、将来の車椅子対応や子どもをトイレに入れるときのことを考えると、ゆとりのあるスペースを確保することが大切です。また便座への立ち座りの動作を補助するためには、手すりの設置も有効です。場合によっては、便座が昇降するタイプの便器を選ぶと良いでしょう。また、平面計画としては、寝室の近くにトイレを設置すると、夜間でも安心してトイレへ行くことができます。
玄関アプローチ
普段はあまり意識することのない方が多いと思いますが、門から玄関までのアプローチに数段の段差のあるお家が多く存在します。そういった場合は、別途スロープを付けるか、段差そのものをスロープに変えることで、車いすやベビーカーの移動がとても楽になります。段差の場合、蹴込み部分の色を目立つ色に変えておくと、段差が見えづらく踏み外してしまった、という事態の予防になります。更に、夜間は段差が見えにくくなるため、フットライト等の外灯を検討すると良いでしょう。
玄関
玄関でも、車いす等通行の妨げになるので、段差はなるべくなくすと良いでしょう。入口の開口は車いすでもスムーズに入れるために十分は幅を確保しましょう。また、靴の着脱のためにベンチやいすを設置すると、着脱の動作がとても楽になります。手すりを設置すれば、更に安全です。また、足下が暗くなる場合は、外構同様フットライトを検討すると良いでしょう。
階段
家庭でもとても危険な場所の一つである、階段。なるべくスペースにゆとりをつくり、急勾配の階段とならないように気を付けましょう。また、直線階段のような形状の階段は、転んで勢いよく落ちてしまう場合下階まで止まらない可能性が高い形です。踊り場のついた折れ階段のように、万が一転げ落ちてしまった場合でも、途中で止まるような形態を選んだ方が安全度が高いといえます。
キッチン
最近では、キッチン水栓もレバーの上げ下げや左右の振りで操作できるものが多く販売されています。また手をかざすと自動で吐水・止水が切り替えられるものもあるので、いろんなメーカーのものを比較し、自分に合ったものを選びましょう。
その他
居室や廊下など様々な場所に設置される電気スイッチ等も、最近では様々なタイプが販売されています。少し押すだけでも簡単にスイッチを入れることのできるタイプや操作面がワイドで押しやすいタイプの他、人の動きを検知し自動で操作されるタイプ等、使い方や場所により使い分けてみましょう。

以上、ユニバーサルデザインについてご紹介しました。

小坂建設では、経験豊富なプランナーや一級建築士が様々なご相談に丁寧にお応えします。
酒々井町・成田市・佐倉市で建て替えや注文住宅、リフォームをお考えの方は、是非お気軽にご相談ください。

2018.01.31