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建築基準法の基礎知識

理想的な家づくりを行うために最初に確認しておきたいのが、新たに建築を建てるにあたりどんなルールがあるのか。つまり、建築基準法です。専門的な領域まで勉強する必要はありませんが、基本的なことを知っていると、より家づくりのイメージが湧きやすくなり、土地の選定でも失敗することがありません。
ここでは、建築基準法の主なポイントをまとめてみました。

1.用途地域

都市部では都市計画の方針に基づき、住宅、商業地、工業地などの種類に区分し、用途地域として定めています。
該当する地域の種類によって、建ぺい率や容積率、高さ制限をはじめ、さまざまな法規に関わるため、重要です。
各用途地域ごとにどのような建築物を建ててよいのか、もしくは建ててはいけないのかが細かく定められています。
用途地域の種類には、低層住宅地、中高層住宅地、商業地、工業地などの市街地の種類に応じ、12種類あります。神社、教会、寺院、巡査派出所、診療所、保育所はすべての用途地域で建築可能です。

2.道路規制
道路規制

建築基準法では、都市計画区域内にある建築物の敷地は、建築基準法上の道路(幅員4m以上の道路)に2m以上接していなくてはならないと定められています。
ただし、周囲に広い空地がある場合など、特定行政庁が防火上問題ないと認め、建築審査会の同意を得て許可したものについては、道路に2m以上接しなくてもよいものとされています。
また、古くから存在する住宅では4mよりも幅の狭い道路と接しているものが多く存在します。このように、建築基準法が施行された日(昭和25年11月23日)、または、その土地が都市計画区域になった時点で建物が立っていた場合は、例外として、敷地をセットバックし家を建てることが認められています。
更に、道路そのものについても建築基準法上で認められた道路かどうかの確認が必要です。

3.建ぺい率

建ぺい率とは「建築面積(建物を真上から見たときの投影面積)の敷地面積に対する割合」です。
つまり、戸建2階建ての住宅で各階の大きさが違う場合、大きい方の面積が建築面積となります。
例えば、建築面積50平方メートルの住宅の敷地が100平方メートルだった場合、その建ぺい率は50%となります。
火災時の延焼防止や採光・通風の確保等のために定められています。

4.容積率
容積率

容積率とは「建物各階の床面積を合計した延べ床面積を、敷地面積で割ったもの」です。
例えば、1階70平方メートル、2階30平方メートル、合計100平方メートルの建物が100平方メートルの敷地にあれば、その容積率は100%となります。
都市計画区域内では、土地の利用密度を適性にするため、容積率の制限を定めています。
この容積率は、前面道路幅員により制限があったり、逆に特例として緩和される場合があります。通常この容積率と建ぺい率は一緒に表記され、土地に対しどのような建築を建てることができるか目安となります。

5.高さ制限

建築基準法では、各用途地域に応じて、建築物がその周囲に交通上、安全上、防火上、衛生上、大きな支障をきたさないために、建築物の高さを制限しています。
そうすることで、敷地周辺への日照、採光、通風、景観、交通状況等に影響を及ぼすことを防ぎます。高さ制限の種類としては主に下記のものがあります。

道路斜線制限
建築物の各部分の高さは、全面道路の反対側の境界線からの距離によって制限を受けます。
隣地斜線制限
建築物の各部分の高さは、高さ20mを起点とし、隣地境界線からの距離によって制限を受けます。
北側斜線制限
建物の高さは、敷地の北側からも制限される場合があり、その場合は敷地の北側の隣地境界線から建物の距離によって制限を受けます。
日影規制
一定の高さまたは階数以上の建築物が、その敷地の外に生じさせる日影の時間を制限するものです。
また、第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域では、建築物が10mまたは12mのうち都市計画で定められたほうの高さまでに制限される「絶対高さ」という制限があります。
戸建住宅で外観形状が不自然に削られた建築を目にすることがあります。その理由は、こういった高さ制限による規制を受けたためである場合もあります。
6.建築確認

建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査することを、建築確認と呼びます。
この検査は、建築途中の段階や完成後にも存在し、それぞれ中間検査、完了検査と呼びます。建築やリフォームでは規模や内容により建築確認の必要な場合とそうでない場合があるため、事前の確認が必要です。

小坂建設では、酒々井町はもちろんのこと、成田市や佐倉市でも数多くの注文住宅を手掛けています。
ちなみにですが、成田市では「第一種低層住居専用地域」や「第一種中高層住居専用地域」の割合が高く、佐倉市では「第一種低層住居専用地域」の割合が高い地域となっています。ぜひ、注文住宅やリフォームの際の参考にお役立てください。

2017.06.15